【ブロードマインド】制度づくりは一人ひとりの人生に寄り添うこと|働き方のサンゴ礁
2023.12.28 (木) updated
ダイバーシティ推進に先進的に取り組む企業の“多様な働き方”に焦点を当てた企画、「働き方のサンゴ礁」。
今回は、ブロードマインド株式会社(以下、ブロードマインド)長谷川さんにお話を伺いました。金融サービスを通じて、日ごろから多くの利用者の人生に寄り添ってきたブロードマインドには、従業員一人ひとりの人生にも徹底的に寄り添う風土がありました。
お名前:長谷川 孝次さん
所属:ブロードマインド株式会社
担当:ビジネスストラテジー本部/人事総務部/マネジャー(採用責任者)一人ひとりのライフプランの実現に向けて人生を共に歩む会社、ブロードマインド
ーーブロードマインドはどのような会社ですか?
ブロードマインドは、人生を共に歩む“フィナンシャルパートナー”として、お客様の望んでいるライフプランの実現に向けたサポートをしています。これまで、お客様が金融商品の相談をする際には、保険のことは保険会社、資産運用のことは証券会社、融資のことは銀行、といったように、分野ごとに異なる窓口へ足を運ぶことが一般的でした。私たちは、生命保険・損害保険、投資信託・債券・株式、住宅ローン、不動産など、幅広いソリューションをワンストップで取り扱うことができる仕組みを構築し、特定の金融機関に偏らない立場からお客様にとって最適なソリューションを提供しています。
ーー長谷川さんはじめ、ブロードマインドの皆さんはどのような働き方をされているのでしょうか?
サービスの特性上、コンサルティング職の場合は土日休みのお客様が多いため休みは平日が基本ですが、フレックスタイム制を採用し、面談が日程変更になった際は早めに帰宅するなど自分自身で働き方を調整ができるようにしています。他方で、子どもがいるなどの理由で時間的な制約があるメンバーについては、リモートワークや時差出勤などの制度があります。
産休・育休については、取得率・復帰率ともに100%です。契約社員やアルバイトでも育休をとっており、雇用形態によらず就業を継続できるようつとめています。大切にしたい仲間のために、制度をつくる
ーー産休・育休取得後のキャリア形成について教えてください。
ブロードマインドではほぼ全員コンサルタントとして入社するのですが、現在、産休・育休復帰後は別のポジションで戻ってくることが基本になっています。理由としては、サービスの特性上、コンサルタント職は土日休みではなかったり、お客様に寄り添ったスケジュールになるので夜が遅くなったりするためです。本来は元のポジションに戻るのが理想かもしれませんが、そうすると子育てとの両立が難しく、結果的に無理を強いることになりかねません。
復帰後はマーケティング部など、それまでのコンサルタントとしての知見・経験を活かせる業務を担当いただくことが多いです。就業時間は、フルタイム・時短どちらもOKとしています。
ーー時差出勤の制度もあるそうですが、どのような背景でできた制度なのでしょうか?
社員からライフイベントをきっかけに従来の働き方ができなくなるため退職したい、という申し出を受けた際に「どうすれば当社で働き続けてもらえるのか?」を考え、制度をつくる。そういうことを1つ1つやってきた中で、時差出勤の制度ができました。現在は朝7時に来て16時半に帰る、という人がいます。早く帰らなければならないからといって、必ずしも時短を選択する必要はなく、本人が希望すればフルタイムで働くことが可能になっています。
リモートワークについても、ご家族の転勤の都合で引っ越すことになった人のために、5、6年前に導入しました。当時は社会的に今ほどリモートワークが浸透していなかったので、社内にはさまざまな意見がありましたが、それでもその人に残ってほしいと思い制度化に踏み切りました。制度が先にあるのではなく、大切にしたい人があっての制度づくりなんです。お客様だけでなく社員の人生にも、向き合う
ーー長谷川さんから見て、ブロードマインドならではと思う文化はどのようなものでしょうか。
良い意味で、おせっかいな人が多いかもしれません。皆、お互いに関心があり、フットサル部、野球部、飲み会など頻繁にコミュニケーションをとっているのも昔から変わりません。仕事を離れた場でのコミュニケーションを通じて、仕事上のコミュニケーションも円滑になる、というのはよく耳にするので、こういった環境に支えられているひとは多いと思います。
この点については、社長の意思や姿勢が強く影響しているように感じています。社長はとにかく人が好きで、一人ひとりの話に耳を傾ける方です。それが社内の風通しのよさにつながっていると思います。
一方で、会社が拡大フェーズにあることを鑑みると、これまでの良さを残しつつどう変化していけるかというのが課題でもあり、現在取り組んでいるところです。
ーーほかの社員の方からはどのようなお話を聞かれますか。
新卒の頃に入った上司を「お父さんみたいだった」と言っていたひとがいます(笑)。ブロードマインドには、社内の人材育成を担う「教育部」という部署がありますが、育成についてはその枠を超えて皆で取り組んでいますね。最近は「人的資本」という言葉がトレンドですが、資本というよりは、一人ひとりを大事な会社の一部だと思っているからこそ、そういった言葉が聞かれるのだと思います。
また、お客様に正直でいられることが精神的にもよい、という声もあり嬉しく思っています。「特定の商品を売らなければいけない」ではなく、あくまでお客様のライフプランにあわせた商品を組み合わせていくので、清々しく働けるようです。社内でも、どうしたら貢献できるのか?お客様の人生をよりよくできるのか?という軸でご提案内容を考えていくので、自然と風通しがよくなっていることも特徴ですね。
ーー多様なひとを受け入れるために取り組んでいきたいことはありますか。
これは私の主観も含みますが、営利企業である以上、多様性を受容することと責任を果たすことはセットだと考えています。たとえば「採用基準を広げたから、成果を上げられない人が増えた」ということを良しとしてしまうと、それはただの美談でしかありません。ブロードマインドの一員として、与えられた責任を全うしていくことで会社としても成長を続けることができると思います。これまで以上に個人の価値観が多様化する中で、1人ひとりが高いパフォーマンスを挙げられる環境を整備することが重要だと思いますので、そのためのしくみやしかけづくりに取り組んでいきたいですね。そういった意味で、「勝てる会社」をつくることが多様性を守る条件だと考えています。編集後記
雇用形態を問わず産休・育休の取得を可能とするなど、既成の枠組みにとらわれず一人ひとりの人生と向き合い、よりよい方向へ変化し続けている点に、組織としての柔軟性を感じました。また最後の長谷川さんの「多様性を守る条件」のお話にも、「多様なひとが活躍する」企業で個人と組織がどうあるべきかについて考えるためのエッセンスが詰まっていると思います。長谷川さん、そしてブロードマインドさんの「関わるひとの人生を豊かにしたい」という情熱が、ひとりでも多くの方に届いてほしいです。
◆会社概要◆
名称 :ブロードマインド株式会社
代表取締役社長 :伊藤 清
所在地 :東京都渋谷区恵比寿南1-5-5 JR恵比寿ビル7F
事業内容 :フィナンシャルパートナー事業
個人の方の保険、住宅ローン、資産運用、老後資産形成や、法人の財務対策等、ファイナンシャルプランニング(FP)にかかるコンサルティング業務
企業URL :https://www.b-minded.com/