【サイバーセキュリティクラウド】仕事と育児、両立のカギは「成果に基づく評価」上場ベンチャーで働き方の柔軟性が保たれる理由|働き方のサンゴ礁
2023.11.14 (火) updated

ダイバーシティ推進に先進的に取り組む企業の“多様な働き方”に焦点を当てた企画、「働き方のサンゴ礁」。
今回は、株式会社サイバーセキュリティクラウド(以下、サイバーセキュリティクラウド)の下村さんにお話を伺いました。2010年設立、2020年に東証グロース(旧マザーズ)上場を果たした急成長ベンチャーでありながら、現在は全社員の約4割が子育て中という会社では、働きやすさと成果の創出をどのように両立させているのでしょうか。
お名前:下村 岳さん
所属:株式会社サイバーセキュリティクラウド
担当:人事部 部長
大学卒業後、2010年に日立製作所に人事として入社。国内・海外の人事業務全般を幅広く経験した後、デロイト トーマツ コンサルティングにて組織・人事コンサルティングに従事。2019年9月、サイバーセキュリティクラウドに入社し、2020年5月から現職。「世界中の企業をサイバー攻撃から守る」ITベンチャー企業、サイバーセキュリティクラウド
ーーサイバーセキュリティクラウドはどのような会社ですか?
サイバーセキュリティクラウドは、「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」をミッションに掲げ、世界有数のサイバー脅威インテリジェンスとAI技術を活用した、Webアプリケーションのセキュリティサービス、及び脆弱性情報収集・管理ツールといったハッカー対策サービスを提供しています。
ーー下村さんをはじめ、サイバーセキュリティクラウドの皆さんはどのような環境で働かれているのでしょうか?
勤務時間について、コアタイムなしのスーパーフレックスを導入しているのと、全職種でリモートワークを可能にしています。また現在100名強の社員がいるのですが、そのうち約4割が子育て中です。私自身も子どもがおり、平日の朝の支度や保育園への送り、そして毎週水曜日はテレワークの日にして夕方の子どもの迎えやご飯づくりを担当しています。働きやすい環境はニーズによってつくられる
ーー柔軟な働き方を広げていくことになったきっかけはあるのでしょうか。
きっかけとしては大きく分けて2つ、エンジニア採用強化と子育て社員の増加が柔軟で働きやすい環境づくりの後押しとなりました。
2017年頃までは、全員が決まった時間に出社して、ラジオ体操をするような文化がありました。ですが、サービス拡大に向けて優秀なエンジニアを採用していきたいと考えたときに、エンジニアにとってはフレックスやリモートなど柔軟な働き方ができたほうが魅力度が高いんですよね。そのため、リモートワークは当初、エンジニアのみに適用されていた制度でした(現在は全職種に適用)。
子育て社員の増加についても、全社員の中での割合が2020年末には22.9%、その後2021年末に30.9%、2022年末に37.6%、そして直近7月末では39.6%まで増えました。そうした中で、働き方の多様性についてニーズが高まってきたという背景があります。
ーー産休・育休明けの復帰プロセスや、取得状況について教えてください。
産休・育休を取得した社員が復帰する際には、職種ごとの専門性を活かしてスムーズに復帰してほしいので、基本的に元の職場・職種に戻ってもらうようにしています。出社して一日めいっぱい働くか、休みを取るかの2択だった頃と比べて、今は、働く時間や場所を柔軟に調整して中間のグラデーションのある働き方が取りやすいので、復帰もしやすくなっていると考えています。
また、男性社員の育休の取得実績もあります。今年は国の制度が変わり、男性の出生時育休の制度が拡充されましたが、早速その制度を使って1か月ほど休んだ社員がいましたね。働き方の柔軟性を保つカギは「成果」で評価すること
ーー評価はどのような軸でおこなっているのでしょうか。
サイバーセキュリティクラウドの評価制度は、アウトプットや成果ではかることを徹底しています。長い時間働いたから評価するということではないですし、働く時間の長さや時間帯は関係ありません。経営陣、マネージャークラスがそういった働き方を実践しているというのも大きいと思います。
当社のようなベンチャー企業が求める、ある程度の社会人経験を積み、かつ、変化にスピード感を持って対応できるといわれている人材は、どうしても子育て世代の方々が多いです。そのため、そうした方々に支持されない環境であることは、企業にとってもリスクだと考えています。あらゆるバックグラウンドを持つ方が対等に評価され、活躍できる環境をつくっていきたいと考えています。
ーー下村さんが考える、子育て中の方がベンチャーで働くことのメリットとは何でしょうか。
「ブランク期間をひきずらない」ことではないでしょうか。
たとえば大企業では、昇進・昇格の際に過去数年分の良い評価が得られないと上の等級に上がれない、といったケースもあります。その点、ベンチャー企業はあらゆる面で時間の流れが早いので、評価も半年や1年で処遇へ反映されるケースが多いですよね。出産や育児、介護などのブランクがある方にとっては、やりがいに繋がりやすいのではないかと考えています。
ーー最後に、これから下村さんが取り組んでいきたいことがあれば教えてください。
様々なバックグランドを持つ多様な人材を引きつけられる企業でありたいですね。
今は採用を首都圏に絞っていますが、将来的には地域・国を限定せずに採用できるようになると良いなと考えています。また、ジェンダーを問わず活躍してもらえる環境も大事ですね。
柔軟な働き方の実現をサポートしていきながら、バックグラウンドに関係なく成果に基づき評価することで、社内の多様性の幅をどんどん広げていきたいです。編集後記
「社員のご家族にもサイバーセキュリティクラウドのファンになってほしい」とおっしゃっていた下村さん。企画されてた「ファミリーデー」では、社員のお子さんやパートナーの方に社内を公開し、セキュリティのワークショップ開催やマスコットキャラクターのグッズを配ったりしたそうです。社員のバックグラウンドまで大切にするからこそ、真の意味での働き方の多様性が実現できます。サイバーセキュリティクラウドさんの企業理念や想いが多くの方に届き、バックグラウンドにとらわれないポジティブな挑戦が生まれることを願っています。