【テンアライド株式会社】顧客満足は従業員満足から！テングイズムで取り組む、飲食業の働き方革命｜働き方のサンゴ礁
2023.12.28 (木) updated
ダイバーシティ推進に先進的に取り組む企業の“多様な働き方”に焦点を当てた企画、「働き方のサンゴ礁」。
今回は、テンアライド株式会社（以下、テンアライド）の平日ランチタイム限定社員の松田さんと採用・広報担当の川上さんにお話を伺いました。「顧客満足は従業員満足から」をポリシーとするテンアライドでは、従業員のために多様な働き方を展開しています。その背景や企業としての想いをお聞きしていきます。
お名前：松田さん
所属：テンアライド株式会社 テング酒場担当：平日ランチタイム限定社員
お名前：川上さん
所属：テンアライド株式会社 管理本部 人事チーム
担当：採用・広報担当「100年続く企業」を目指し、人を大切にした企業づくりを行うテンアライド
ーーテンアライドはどのような会社ですか？
（川上さん）
天狗・テング酒場・神田屋などの、総合フードサービス業を展開しています。“食を通して「驚き」と「感動」を”を企業理念に、良いものを安く、早く、清潔に、最高の雰囲気で、お客様に楽しんでいただくことを使命としています。
お客様の満足を生み出すのも従業員であり、会社を成長させるのも従業員。「顧客満足は、従業員満足から」というポリシーをもち、「100年続く企業」を目指して、「人」を基盤とした企業づくりを行っています。
ーー松田さんはじめ、テンアライドの皆さんはどのような環境で働かれているのでしょうか？
（松田さん）
お子さんのいる方が多く、周りからの理解があるので、子供の体調不良等での急なお休みが取りやすい雰囲気がありますね。誰かが急に休むとなった場合のシフト調整も、みんなお互い様という考え方で助け合う、そんな子育てと仕事の両立がしやすい環境があります。
また、子育て中などでお昼だけ働きたいという方に向けた「平日ランチタイム限定社員」という働き方があるのも、テンアライドの大きな特徴です。
松田さん
飲食業の働き方革命 業界内で注目される「平日ランチタイム限定社員」という働き方
ーー「平日ランチタイム限定社員」を選択されている松田さんの働き方を教えていただけますか？
（松田さん）
「平日ランチタイム限定社員」というのは、9時から18時の間などその名の通りランチタイムに限定して働く働き方です。私は、現在4歳になる息子がいるのですが、息子が保育園に行っている日中の時間を利用して働いています。
息子が1歳になったころに、「社会復帰したい、自分らしくずっと働きたい」と思って仕事探しを始めたんです。出産前の飲食店勤務経験を活かしたいという想いがあったものの、実家が遠くて頼れる親族が近くにいない、ワンオペ育児というハードルがあり、飲食店で働きながら子育てを両立することは難しいのかなと感じていました。そんな中で見つけたテンアライドの「平日ランチタイム限定社員」という働き方は、飲食店でありながら子育てと仕事の両立が可能という、私が求めていた働き方だったんです。
ーー制度導入にあたっての課題や工夫された点があれば教えてください。
（川上さん）
一番の課題は、なんといっても実際に対応する店舗の理解と受け入れ体制づくりでした。
まず最初に取り組んだのは、人事と店長でしっかりと話し合うこと。もともと在籍されていた、子育て経験者であるパートやアルバイトの方々の理解やサポートも大きな後押しとなりましたね。
平日ランチタイム限定社員が実際に運用され始めると、時間の制限はあるもののしっかり責任感を持って活躍するメンバー達に助けられることや店舗にとってのメリットが多くなってきたんです。同様の経験をしたメンバーたちの口コミが社内で徐々に増え、新しい働き方を受け入れる体制が社内に広がり始めました。
今では多くの店長たちが平日ランチタイム限定社員の受け入れに積極的で、「僕たちは何に気をつけなきゃいけないですか？」と店長たちの方から聞いてきてくれたり、メンバーとコミュニケーションを取ったりしながら、受け入れ体制を積極的に整えています。
ーー平日ランチタイム限定社員の採用を始めようと思ったきっかけは？
（川上さん）
社内の優秀な人材が、ライフステージの変化のタイミングで辞めざるを得ない状況をどうにかしたい、そんな課題感からスタートしました。
特に女性社員は、妊娠や出産を機に離脱していってしまうケースが多かったんです。もちろん制度として育休取得や時短勤務は可能なのですが、飲食業という仕事の特性上、子育てと仕事の両立が難しいという一面があったためです。飲食業の中でも特に居酒屋がメインの会社は、夜間勤務がベースになっているため、子育てとの両立が難しい職業の一つだと言われています。お昼の時間帯だけ働くことができる飲食企業は、非常に珍しいんです。
今では、他の飲食チェーンの人事の方から平日ランチタイム限定社員について、「どうやってやっているんですか？」「一度話を聞いてみたいです」という問い合わせがよくあるんです。お問い合わせ頂いた企業様には、その都度テンアライドのやり方をお伝えしています。
川上さん「顧客満足は従業員満足から」というテングイズム 立ち止まらず進化し続ける老舗企業
ー従業員の働きやすさを実現する仕組みや風土について教えてください。
（川上さん）
現在テンアライドには7種類の働き方があり、自分の都合に合わせた組み合わせで働くことができるようになっています。食が好きで飲食業で働きたいという方たちに、より自分らしく働ける環境を整えたいという想いで整備されました。
また、「顧客満足は従業員満足から」という、社内で「テングイズム」と呼ばれているポリシーがあるのですが、管理本部長が社員と個別に面談を行って現場の生の声を吸い上げ、制度として反映していく、そんな仕組みがあります。
テンアライドは創業から54年経つ老舗と言われる部類に入る会社ですが、社員の声を聞いて世の中の流れを見て、立ち止まらずに進化し続けるということをずっと行ってきており、私は、それがテンアライドが50年以上続いてきた理由であり、大きな魅力だと感じています。
編集後記
「飲食業界全体で人手不足の現状があるので、平日ランチタイム限定社員の取り組みを広めることが、飲食業界を盛り上げる一つのきっかけになるといいなと考えています。」とお話される川上さんから、テンアライドでは、時代に合わせた多様な働き方に柔軟にチャレンジし、飲食業界をはじめとした社会全体のダイバーシティを牽引されているのだと感じました。そんなテンアライドさんの想いや働き方が、飲食業界で自分らしく働きたいと思う多くの方に届くと嬉しいです。