時短勤務とは?メリット・デメリットのまとめ
2023.7.7 (金) updated
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産休・育休後の復職は育児と仕事のバランスに苦悩するワーママは多いのではないでしょうか?
育児との両立ですごく助かる制度は時短勤務制度です。
このコラムでは、時短勤務について様々な視点で見ていきます。
時短勤務は所定労働時間より短く働くことですが、この制度によって、周囲にさまざまな影響を与えます。
そのため、ただ導入するだけでは、時短勤務者も周りの人も負担が増えてしまい、うまく制度が機能しません。
時短勤務とはどのようなものか、制度の概要やメリット、デメリットをまとめてみました。時短勤務とは
時短勤務とは、所定労働時間よりも短く働くことです。所定の労働時間が8時間であれば6時間にするなどの対処がとられます。これは育児や介護でフルタイムで働くことが厳しくなった人を対象にした勤務制度です。
2009年の育児・介護休業法の改正により義務化され、会社は時短勤務を導入しなければならなくなりました。時短勤務の目的
時短勤務制度は、少子高齢化への対応が目的で実施された制度です。最近では、ワークライフバランスの実現の重要性が高まっており、介護や育児をする人の時短勤務の導入が検討されるようになっています。
時短勤務の対象
育児を目的とした、時短勤務を適用させるには、以下の条件を満たしている必要があります。
①:3歳に満たない子を養育する労働者であること
②:1日の所定労働時間が6時間以下でないこと
③:日々雇用される者でないこと
④:短時間勤務制度が適用される期間に現に育児休業をしていないこと
⑤:労使協定により適用除外とされた労働者でないこと
「適用除外とされた労働者」とは以下のものを示します。
・雇用された期間が1年未満
・1週間の所定労働日数が2日以下
・業務の性質や実施体制上、短時間勤務が困難な業務の従事者
以上の条件を満たしていれば、アルバイトやパート社員、契約社員にも適用可能です。また希望することで、残業や深夜業務の免除が受けられます。
業務の性質上短時間勤務が困難な業務の場合は、時短勤務の導入は適用外ですが、フレックスタイム制などの代替措置をとらなければいけません。
3歳以上の子供の場合は、法律での時短勤務制度は義務化されていません。しかし、企業によって独自の制度が導入されている場合はあります。
介護をしている社員に関しても時短勤務の利用が可能です。介護の場合は、連続3年以上労働者が短時間勤務できるよう、制度を設けることが義務付けられています。
介護の場合は、取得方法が柔軟になり、労働時間や労働日の細かい調整が可能です。会社は、社員の介護の状況に合わせ、時短勤務の導入を検討しなければいけません。
ただし、育児の場合と同様、労使協定により適用除外とされた労働者は、適用除外にできます。時短勤務の期間
時短勤務は子育てを目的にしている場合、子どもが3歳になるまでが時短勤務の対象です。ただし、これは法律上の話であり、企業によっては時短勤務制度の期間を別に設定できます。
企業によっては、時短勤務制度利用可能期間が『お子さんが小学校に上がる前まで』や無期限の場合もございます。
介護の場合は、取得した日から3年以上の期間を与えることが法律で義務付けられています。また、介護の場合は、2回以上の取得も可能です。これ以上の期間の制度利用に関しては会社で取り決められます。時短勤務導入のメリット
時短勤務制度は導入が義務付けられているものですが、導入によってどのようなメリットがあるのでしょうか。次で解説します。
従業員のワークライフバランスの実現
時短勤務導入は、従業員のワークライフバランスの実現に効果的です。特に時短勤務がされていない場合、育児などを理由に退職せざるをえないケースが多々ありました。
時短勤務で6時間勤務が可能になると、時間に余裕が生まれるだけではなく、病院や公共施設など夕方すぐに閉まる施設への送り迎えもできるようになります。人材確保がしやすくなる
時短制度が適用できると、育児や介護と仕事を両立させたい人が働く選択肢が生まれます。特に女性は出産後に退職するケースがほとんどでしたが、退職後のキャリアの実現も可能になりました。
育児や介護をしている人が働ける環境になることで、求人にも影響を与え、離職を防ぐことにもつながります。時短勤務導入のデメリット
時短勤務の導入は社員に不利益になる場合があります。ここではどのようなデメリットがあるか、解説します。
従業員の収入が減る
時短勤務を導入すると、対象となる従業員の収入は減少します。労働時間が減った分給料が減ってしまい、残業代も出なくなるためです。時短勤務を理由にした減給などの不利益な取り扱いは禁止されていますが、上記のものは法律違反ではありません。
特に残業時間が長い社員の場合、時短勤務をすることで、実質上の大幅な減給になる場合があります。社員に溝ができる場合がある
時短勤務は対象者とそれ以外の社員の間に溝ができる場合があります。業務が忙しい時期に定時で帰ってしまい、通常勤務の社員が時短勤務の社員に不満を持ってしまうことがあるためです。
そのため、時短勤務ができても、従業員の肩身が狭くなり、双方に負担をかけてしまいます。また、労働時間が短くなる分、成果が出しにくくなり、他の人に迷惑をかける可能性もあります。
時短勤務を導入する場合には、このような状況に陥らないよう事前に対策する必要があります。