【ジンズ】アイウエアを通して「人生」をつくる。価値観を軸に選択肢が広がる組織づくり|働き方のサンゴ礁
2024.2.7 (水) updated

ダイバーシティ推進に先進的に取り組む企業の“多様な働き方”に焦点を当てた企画、「働き方のサンゴ礁」。
今回は、株式会社ジンズ(以下、ジンズ)の村上さんにお話を伺いました。アイウエア事業を通じて、日ごろから多くのユーザーに寄り添ってきたジンズでは、メンバーが共通して持っている価値観を軸に自立した組織がつくられていました。
お名前:村上 康子 さん
所属:株式会社ジンズ
職種:人事戦略本部 採用課ジンズは「アイウエアを売る会社」ではなく「人生をつくる会社」
ーージンズはどのような会社ですか?
ジンズは「Magnify Life」をビジョンに掲げ、人々の生き方そのものを豊かに広げ、これまでにない体験へと導くことを目指している会社です。
世界一のアイウエアカンパニーを目指しており、2023年8月現在、日本国内に470店舗以上、中国やアメリカなどの海外にも240店舗以上を展開しています。
ーー村上さんはじめ、ジンズの皆さんはどのような環境で働かれているのでしょうか?
ジンズ本社では、コアタイムなしのスーパーフレックス制度や在宅ワークを導入しています。直近ではオフィス移転をしたばかりということもあり、週3日以上の出社としています。ただし、出社ルールを守ることが目的ではなく、本社全員のコミュニケーションの頻度や偶発性を高め、クリエイティブに生産性高く、成果につなげていくことが本質ではあり、状況に応じてルールは変わります。また、対面でのコミュニケーションを大事にする一方で、一人で考える時間の価値ももちろん大切なので、柔軟に働ける環境の実現を目指しています。社内の男女比は半々ぐらいですね。ビジョンを実現するために、メンバーが価値を発揮する環境をつくる
ーービジョン「Magnify Life」がジンズで働く皆さんの価値観の軸になっているとのことですが、どのようなものなのか、ぜひ詳しく教えてください。
聞きなれない言葉かもしれませんが、Magnifyには“レンズを通して拡張する“という意味があり、私たちはアイウエアを通じて、人々の人生を豊かにすることにチャレンジしています。アイウエアはあくまで1つのソリューションとして捉えていて、その先に実現したいことは「Magnify Life」なんです。
たとえば、私たちには「近視がない世界を目指す」という目標があります。普通に考えたら、アイウエアカンパニーがアイウエアのいらない世界を目指すの?という話になりますよね。ただ、今の社会には人口が減少しているにも関わらず近視人口は増えているという課題があり、その課題は解決したほうが良い。だからこそ、近視を抑制するための研究開発をしていたりします。私自身、1年半前に入社した決め手は「この会社ってアイウエアを売る会社じゃないんだ!」と思ったことが大きかったです。
ーー多様な働き方の推進は、このビジョンの実現に繋がっているのでしょうか?
私たちは「Magnify Life」を実現するために、指針となる3つの姿勢(Attitude)として「Progressive」「Inspiring」「Honest」を掲げています。
しかし、挑戦することや、人を巻き込み、巻き込まれていくことを体現しようとしたときに、それらが環境によって左右されることがあります。
例えば、リラックスしている環境でアイデアがすごく生まれる人がいれば、会社に来て机に座って気持ちを切り替えることが重要な人もいるし、誰かと話すことで創造的になれる人もいます。ジンズのメンバーが、ビジョン実現に向けて日々のルーティンワークだけでなく、クリエイティブな仕事を生み出せる、色々な場面を想定した働き方の選択肢が必要だと考えています。自立とコミュニケーションで「ルールを守ることがルール」にならない組織に
ーー産休・育休の取得状況や、取得後のキャリア形成について教えてください。
産休・育休の取得率は女性の場合、本社・店舗含め100%です。
取得後の復帰プロセスについては、ケースバイケースで面談をして決めていきます。
ジンズに入って面白いなと思ったのは、すべてを会社のルールとして取り決めるのではなく、部門に任されている部分が多いことです。「ルールを守ることがルール」ではなく、自分たちで組織運営を考える機会があるということです。先ほどお話したAttitudeの「Honest」など文化が浸透していることと、半数以上は中途入社であることから自立してセルフマネジメントできる人が多いため、ルールですべてを定めなくても、芯が守られているうえでカスタマイズされる形になるのだと思います。
就業時間については、出産を機に時短勤務を選ぶ場合が多いと思うのですが、ジンズではフレックス制度と在宅ワークを組み合わせることで、フルタイム勤務を継続するメンバーもいます。午前中は出社して会議に出て、お子さんの用事で一度帰ってから在宅ワークをする、といった働き方も制度上は可能です。
ーー村上さんの所属されている人事戦略本部が、組織をつくるうえで大切にしていることはありますか?
一般的に人事と呼ばれる役割は、コーポレート部門の中に他の部署と並列して設けられていることがありますが、ジンズでは「人事戦略本部」として独立しています。ここに会社として、組織づくりへの熱が表れていると感じています。
また、本社と店舗ではミッションが異なるため、営業本部(全国のジンズ店舗の運営を統括する本部)付の人事組織として「店舗人事部」を新たに設け、それぞれに適した制度設計や実行推進を目指しています。例えば、スーパーフレックス制度は本社のみ適用されていますが、店舗では準社員・パートのベース時給の地域格差をゼロにする取り組みなどを実施しています。
ーー新しい取り組みや制度はどのように生まれているのでしょうか?
トップダウン、ボトムアップどちらもあります。ジンズがブランドとしてできてから20年以上になりますが、立ち上げ期のメンバーが子育て~子育て終了のフェーズに移行する中で話し合いながら作り上げた部分もあると聞いています。
ボトムアップの機会としては、1on1ミーティングがどの部門でも浸透しているので、ちょっとした悩みなども「話せるタイミングがない」ということが起こらないようにしています。1〜2週間に一度、上長との1on1があるほか、上長のさらに上席や、違う部門のメンバーとも1on1を実施しているメンバーもいます。人それぞれ、自己課題や悩みによって話しやすい人というのは違ったりするので、部署や役職を超えての1on1は、コミュニケーションの質向上に役立っていると考えています。編集後記
ジンズの社内風土について「待っているだけでなく、自分から動けば機会がつくりやすい会社」とおっしゃっていた村上さん。今後は事業戦略でも大きな軸となっているグローバル分野での貢献も見据え、さらに様々なバックグラウンドの方がジョインしてもらえる組織にしていきたいとのことでした。「アイウエアの先にある人々の人生を豊かにしたい」という村上さん、そしてジンズさんの「Magnify Life」への想いが、たくさんの方に届くことを願っています。