【NABLAS株式会社】東大発AIスタートアップで組織のダイバーシティが実現する理由|働き方のサンゴ礁
2023.12.28 (木) updated
ダイバーシティ推進に先進的に取り組む企業の“多様な働き方”に焦点を当てた企画、「働き方のサンゴ礁」。
今回は、NABLAS式会社(以下、NABLAS)執行役員の佐野さんと、広報の村田さんにお話を伺いました。メンバーの約半数がエンジニアとして活躍する組織の中で、活発なコミュニケーションを生み出し、成長する組織をつくる秘訣について探っていきます。
佐野 さん
所属:NABLAS株式会社
役職:執行役員
村田 さん
所属:NABLAS株式会社
担当:広報先端AIで「人が人らしく生きる」社会を実現する東大発スタートアップ・NABLAS
ーーNABLASはどのような会社ですか?
NABLASは、AI総合研究所として活動する、東大発のスタートアップ企業です。
AI分野における人材育成・研究開発・コンサルティングの活動を通じて、人が人らしく生きられる社会の実現に貢献していきたいと考えています。
昨今、AIが台頭すると、人の仕事がAIに置き換えられてしまい仕事がなくなるのではないか、といわれることもありますが、そうではなく、人がAIをうまく活用して仕事を正確的に効率的に生産性を高くしていく必要があると思っています。少子高齢化・働き手不足の世の中で、「AIをいかに自分たちの味方にできるか」という目線に立ち、社会のニーズにあわせて活用を支援していくというのが私たちのミッションの1つです。
またビジョンとして、「世界トップクラスのAI総合研究所になる」ことを目指しています。常に貪欲に技術力を高めつつ、まだ顕在化していない社会課題についても皆さんにお伝えしていくなど、技術の裏付けをもって皆さんに貢献することを目指しています。
ーーお二人を含め、NABLASの皆さんはどのような働き方をされているのでしょうか?
現在はリモートで、就業時間については10:30-16:00をコアタイムとしたフレックス制度を導入しています。コアタイムを設けることで、リモートでもオンタイムのコミュニケーションがとれるようになっています。
また、当社は外国籍のメンバーも多いため、特にコミュニケーションは大事にしています。全社アンケートでメンバーの声を聴き「リモート×フレックス」を実現
ーーNABLASでは2022年秋よりリモートワークを導入したとのことですが、どのような背景があったのでしょうか。
(村田さん)
リモートワークを導入してから1年が経とうとしています。それまでは社長の意向もあり、対面でのコミュニケーションを重視するためオフィスワークを基本としていました。現在は、全職種でリモートOK、出社したい人はする、という環境になっています。
この働き方は全社アンケートをもとに、会社として変更の決断をしました。
(佐野さん)
リモートワーク導入の希望については、少し前から1on1などでもあがってきていました。メンバーの様々なバックグラウンドに寄り添うことは会社の成長にも繋がると考え、仮取締役会で全社アンケートをとることを決定、実施に至りました。
実際にメンバーの声を聞いてみると、家族の事情などで時間的制約があり通勤時間を削ったほうが生産性を上げられるという方がいたり、エンジニアはフルリモートを希望される方が多かったり、逆にオフィスのほうが集中できるという方がいたりと様々な背景が分かってきました。
ーーもともと対面でのコミュニケーションを重視されていたとのことですが、リモートでのコミュニケーションで大切にされていることはありますか。
(佐野さん)
リモートになるとどうしても雑談が減り、雑談の中から生まれる気づきやちょっとした共有の機会が減ってしまうことから、月に1度、お昼にオンラインの「雑談ルーム」を設けたり、夜にオフィスにお酒などを持ち寄る「バー村田」を開催したりしています。こちらは村田さんが中心になって進めてくれていますね。
(村田さん)
業務面では、各チームのスタンドアップミーティングも増えたと感じています。iLect (AI人材育成講座)チームなどはほぼ毎日で、フル出社のときより頻度高くおこなっています。
エンジニアの輪読会(論文の内容に関する勉強会。1人が発表して、参加者が意見や感想をいう)はもともと対面でやっていたのですが、オンラインになってからは録画をできるようになったので、その日に出席できなかったメンバーも内容を知ることができ、情報格差が逆に解消されたと思います。
ーー海外からリモートワークをすることも可能なのでしょうか?
はい、可能です。例えば、外国籍のメンバーが帰省で数か月間母国に帰ったりすることも大事だと思いますし、海外赴任中の家族のもとへ旅行に行ってそこで業務する、なんてことも実現したら良いなと思っています。
実際に現在も、業務委託ですと海外在住の方にお願いしているケースも多くあります。「寄り添う力」で言語の壁を超える
ーー外国籍の方は、どういった国の方が在籍されているんでしょうか?
(佐野さん)
現在は中国、韓国、インド、オーストラリア出身の方が在籍しています。過去も含めると、ヨーロッパ、カナダ出身の方なども在籍していました。
ーー外国籍の方の面接はどのように対応されていますか?
(佐野さん)
面接は、応募してくださった方が話しやすい言語でおこなっています。ただ、社内では英語または日本語でのコミュニケーションを基本としており、どちらかが流暢でないと難しいので、必然的にそのどちらかになりますね。
ーー外国籍の方が多い組織で、特有の難しさを感じたことはありますか?工夫していることがあれば、教えてください。
(村田さん)
業務面では、日本国籍と外国籍のエンジニアがどちらも理解できるように様々なシーンで日本語と英語を併記するなどはしていますが、問題になったことはないと思います。
しいていえば、メンバーの宗教上の理由で食べられないものがある場合に、飲み会のお店選びを配慮すること、くらいでしょうか。
(佐野さん)
私も業務面ではあまり感じたことはないですね。
社内には、日本語・英語両方話せるメンバー、日本語のみ、英語のみ話せるメンバーがMIXでいるのですが、あえてクローズドに英語オンリーの飲み会を開催して、ストレスフリーに楽しんだりといった企画はあります。
一方で、ランゲージ・エクスチェンジのようなかたちで、日本語を勉強中のメンバーに日本語で話してみたり、その逆もあったりします。根底に、相手に対する気遣いを持っているメンバーが多いというのもあるかもしれません。
ーーー多国籍エンジニアをサポートするバックオフィス、PR、営業職などにとって必要なスキルセットについてはどのように考えていらっしゃいますか?
(佐野さん)
まずはやはり、英語を使うこと・学ぶことに抵抗がないことですね。今はまだ話せるレベルでなくても、翻訳ソフトなどを活用しつつテキストでやりとりしながら、学んでいく姿勢は必要です。
また、エンジニアに寄り添う力もあったほうが良いです。エンジニアが活躍するための風土や、環境などを理解する力を持ち合わせていることですね。
本質的にはその方の経験値、ナレッジ、コンピテンシーと呼ばれる部分、性格を重要な採用ポイントとしています。周りとコミュニケーションを活発にとれる方が、言語の壁を越えられる方だと思っています。編集後記
外国籍のメンバーも多いというNABLASさん。英語を自由に使えるメンバーだけでなく、そうでないメンバーまで含めてコミュニケーションを最大化するために様々な取り組みをされ、スピード感をもってビジネスを成長させている様子が印象的でした。また、全社アンケートを実施することで制度づくりをボトムアップで進める柔軟な経営体制も、働く人にとっては魅力の一つではないでしょうか。
「人が人らしく生きる社会を作る」ことを目指すAIエンジニアと、それを支える仕事がしたい方へ、佐野さん・村田さん、そしてNABLASさんの想いが届いてほしいです。◆会社概要◆
名称 :NABLAS株式会社
代表取締役 所長 :中山 浩太郎
所在地 :東京都文京区本郷6-17-9 本郷綱ビル1F
事業内容 :
・AI技術開発・実装 - R & D -
・DX / AIコンサルティング
・DX / AI人材育成 - iLect -
・運用支援 / MLOps支援
・AIインフラ構築支援
・AIエンジンの提供
企業URL :https://www.nablas.com/