【株式会社Spelldata】午前中の3時間は勉強時間、メンバーの声から生まれる様々な取り組み|働き方のサンゴ礁
2024.2.2 (金) updated
ダイバーシティ推進に先進的に取り組む企業の“多様な働き方”に焦点を当てた企画、「働き方のサンゴ礁」。
今回は、株式会社Spelldata(以下、Spelldata)代表取締役の竹洞 陽一郎さん(以下、陽一郎さん)、総務の竹洞 正子さん(以下、正子さん)にお話を伺いました。
Spelldataでは、独自の教育制度やシングルマザー支援など、女性活躍推進のための様々な取り組みが行われています。取り組みを始めたきっかけや会社としての想いをお聞きしました。
お名前:竹洞 陽一郎さん
所属:株式会社Spelldata
担当:代表取締役
お名前:竹洞 正子さん
所属:株式会社Spelldata
担当:総務アメリカIT企業出身の代表が取り組む、効率よく働ける仕組みづくり
ーーSpelldataはどのような会社ですか?
(陽一郎さん)
Spelldataは、ITシステムの信頼性と性能の専門企業です。札幌、新潟、東京、大阪、福岡の国内5都市に計測センターを開設しており、NTTやKDDIの光回線、ドコモ、au、SoftBank、楽天モバイルの5G回線を使って、24時間365日、お客様のシステムが繋がっているか、快適なスピードでアクセスできるかを計測・監視するサービスを提供しています。
お客様が自社で改善できない場合には、プロフェッショナルサービスとして、全国で表示開始0.5秒、表示完了1秒以内を98パーセンタイルで高速化するWebパフォーマンスチューニングサービスも提供しています。
また、Webサイトの表示速度が高速化すると、おしなべてどのお客様も30%ぐらい売上が上昇します。そこでアクセス数の増大に伴い、コンバージョンの最後を担うメールの到達率が大事になるので、メールセキュリティで大事なSPF/DKIM/DMARCの設定と監査のSaaSを提供しています。
昨今、システム障害や通信障害、セキュリティ侵害、情報漏洩のニュースが多いですが、私達は、そのような問題を品質改善で解決していくことで、お客様のお役に立っています。
ーーSpelldataの皆さんはどのような環境で働かれているのでしょうか?
(陽一郎さん)
Spelldataでは、2014年からリモートワークを取り入れています。私は10年ほどアメリカのIT企業で働いていたことがあり、アメリカでは当たり前となっているリモートのメリットをとても感じているんです。
また、Spelldataはジョブ型採用をしているので、自分がやらなきゃいけないことが決まっており、指図されるのではなく日々自分でスケジュールを組んでやっていくというスタイルをとっています。必要なマニュアルは会社として用意してあるので、業務上のコミュニケーションは、「聞かないと分からないこと」「調整しなきゃいけないこと」に限られていて、効率よく仕事ができる仕組みになっています。
会社全体でのミーティングは月曜日に1時間だけで、細々と聞かなきゃいけないようなことは、チャットや掲示板で情報共有ややり取りを行っています。
メンバーの声を受け、時短勤務、フレックス勤務なども導入しており、「5時の終業後は絶対にメールを見ない」というオンオフをしっかり区切っているメンバーも多いですね。
育児などで勉強時間を取れないメンバーのためにスタートした「毎日、午前中3時間勉強」
ーーSpelldataさんには、独自の教育制度があるとお聞きしました。
(陽一郎さん)
「毎日、午前中に3時間勉強する」という取り組みがあります。
お子さんやパートナーの方が帰ってくる夕方以降は、自分の時間が取れないという女性が多いですよね。私は、ある女性メンバーから、夕方17時になるとお子さんが帰ってきて仕事や勉強ができないという話を聞いたんです。
プライベートの時間に勉強して能力を身に付けるということが環境的にできない。しかし学習しないと成長しないし仕事にも繋がらない。そこには越えられない壁があるので、何とかするためには、業務時間中に勉強時間を取らざるを得ないという考えに行きつき、この取り組みをスタートしました。
(正子さん)
内容としては、3時間の間に、会社から定期的にAmazon Business Prime経由で送付するITの基礎などの本と日経新聞を読んで、その日の業務に関する記事を一つピックアップしてもらい、学んだことや自分自身の意見などを全員チャットに投稿してもらいます。単に本を読めば頭に入るというものでもないですし、新しいことを学ぶことって、とても難しく大変なことだと思っています。
ーー取り組みの効果や、メンバーからの声はいかがですか。
(陽一郎さん)
毎日必ず学習時間があるので、成長してるという実感を持ってもらえているようです。
(正子さん)
勉強期間を通して、最初の一年目で全員がITパスポートと統計検定4級を取得します。IT業界未経験の方は特に、午前中の勉強で基礎知識を身につけることができるので、安心感に繋がるという声を聞いてます。様々なバックグラウンドの女性を尊重する、女性活躍推進のための取り組み
ーーシングルマザー支援を行われているとお聞きしました。
(陽一郎さん)
シングルマザーの経済的貧困という問題がありますが、ITは家でも仕事できるという大きなメリットがあるので、シングルマザーの働き方として向いてると考えています。社会貢献という点ですごく大事なことだなと考えていますし、自分自身も複雑な家庭で育ってきたので、お金に困る状況は理解できるんです。会社としても個人としても何か力になりたいと、取り組んでいます。
会社としては、いかにお子さんの急な状況変化に対応できるかが大事だと考えています。例えば、仕事中に園に呼び出されたときなどに早上がりできる体制ですし、リモートで家にずっといられるので安心して働けます。その日の状況に応じて仕事をちょっと早くor遅くにスタートしたり、時間をずらす対応もしています。
ーー女性活躍推進に取り組む背景を教えていただけますか。
(陽一郎さん)
男性が制度を作ってきた社会だから、男性が、女性ってこうでしょって思って作っている制度は結構多いですよね。でも実際にやってみると、専業主婦の家事の大変さなど、男性が驚くことや気づきがいっぱいある。男性の想像と女性の実際の生き方は違うし、男性は女性のライフサイクルの複雑さをきちんと理解できてないことが多いですよね。
社会に携わりたいと思っても、子供がいるとどうにもならないこともある。私は、在宅勤務になって正子さんの様子を間近で見て学んだことも多いので、そういった部分を反映できたらなと思っています。
例えば、子育て中の女性メンバーから、土日は家族のために時間を費やしているので、自分1人の時間を持てるようにしたいという話を聞いて、じゃあ週休3日にしようという取り組みも行いました。そうすれば平日に1日休みを取って自分の時間にできますよね。時短勤務やフレックス勤務なんかも、メンバーの相談から始まった制度なんです。
(正子さん)
後は、小学校に入学したてのお子さんを持つメンバーなど、家庭状況や本人の希望に沿って、お子さんが慣れるまでの期間限定で就業形態を変更したりということもしています。お子さんが帰ってきたあとに宿題を見るため、8時に始業して16時までの勤務としているメンバーもいますね。編集後記
Spelldataさんでは、女性メンバーのキャリアやバックグラウンドを踏まえて作られた制度・環境が充実しており、女性活躍推進にとても真摯に取り組まれていました。
インタビューの最後に、「うちではよく”専門家になろう”って言っているんです。ITの仕事は頭を使う仕事なので、体力が衰えたとしても続けられる。専門家を目指したい、おばあちゃんになっても仕事続けたいという方にとっては、こんななおすすめな仕事はないですね。」とお話されていた陽一郎さん。Spelldataさんの働き方や、陽一郎さん、正子さんの想いが、仕事と家庭を両立し活躍したいと願う多くの方に届くことを願っています。