法改正のポイントは「男性も育休をとりやすく」企業は何を準備する?
2021.12.1 (水) updated

2021年6月改正育児・介護休業法が成立し、2022年4月以降順次施行されます。
2020年度、日本の男性育休取得率が過去最高の12.65%と過去最高の数値となったと厚労省の発表がありました。2019年度が7.48%だっだ事を思えば飛躍的な増加といえます。
とはいえ、スウェーデンは約80%(2014年)、ドイツは34%(2016年)など、諸外国に比べて日本はまだまだ低いのが現状です。
参考↓
仕事と家庭の両立支援内閣閣府HP
独立行政法人労働政策研究・研修機構HP法改正のポイントは「男性でも育休をとりやすく」
今回の改正のポイントは大きく分けてこの5つです。
① 出生直後の時期に柔軟に育児休業が取得可能(2022年秋頃~)
8週間以内に4週間まで2回まで分割して取得可能になります。
2週間前までに申し出る必要があり、労使協定締結によって休業中に就業する事も可能です。
②本来の育児休業を分割して取得(2022年秋頃~)
上記とは別に分割して2回まで分割して取得可能になります。
現在は育休開始日が1歳~1歳半の間に固定されていますが、改正後は各期間の途中でも夫婦交代する事ができます。
③個別の周知・育休取得意向の確認が義務化(2022年4月~)
本人または配偶者の妊娠・出産を申し出た労働者に対して、事業主側が育休制度について説明し、取得の意向を個別に確認する事が義務化となります。
原則、企業側が申し出を断る事はできません。
④有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件が緩和(2022年4月~)
「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件が撤廃され、
「1歳6ヶ月までの間に契約が満了する事が明らかではない」という要件のみになり
雇用された期間が1年未満でも取得が可能になります。
⑤育休取得状況の公表が義務化(2023年4月~)
従業員数1000人超の企業は、
「育児休業等の取得率」または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」
を公表する事が義務付けられます。
男性版「産休」とも話題になっていますが、どうしても男性の場合、「会社に言い出しにくい」「休みづらい」と思っている方は多いはずです。③のように個別に周知・意向確認が行われる事により、そういった環境も解消されるのではないでしょうか。
女性の場合、つわりや検診日程に配慮してもらう為に、早めに企業側に申し出る方が多いのですが、男性の場合はどうしても申し出るタイミングが遅くなる傾向にあるようです。
企業側も産休・育休取得に向け準備が必要となります。
場合によっては代替要員や引継ぎの必要もあるので、早めに申し出るようにしましょう!企業に求められるのは「早めに準備する事!!」
準備のポイントは2つです。
①産休・育休中の代替要員を確保
1人に対する業務のかたよりを無くし、1人がいなくなると業務がまわらない状況を作らないようにしましょう。この機会に、DXや仕組みの見直しを進めるのもいいでしょう。
又、産休・育休の理解に対する社員教育・研修も大切です。
②就業規則の改定・労使協定の見直し
政府は2025年までに男性の育児休業取得率30%を目標に掲げています。これからは男性の家事育児への参加・男性育休が当たり前になっていく事でしょう。
先を見越して、早め早めに準備を進めましょう。
今後は、性別や雇用形態に関係なく社会全体として育児と仕事のサポートをしてくことが求められます。
一見、男性の為のように思える今回の法改正ですが、そうではありません。
男性の家事・育児参加率が増える事により、もちろん女性の家庭での負担も減り、女性の社会進出も益々増える事になるでしょう。
また、雇用主側も男性育休取得率をアピールする事で、家事・育児に参加したいと思っている優秀な男性人材を確保する事ができるようになるのではないでしょうか。
参照:育児介護休業法について 厚生労働省HP
【インタビュー記事】
・仕事と育児の両立をしている秘書 Moeさんのインタビュー
・総合MVPを受賞された広報兼D&I推進室室長 Kyokoさんのインタビュー
・不妊治療や待機児童といった多くの経験をされた広報 Junkoさんのインタビュー
・海外で働く秘書 Rieさんのインタビュー